目次

posted on 5.31.2015

【第33話】松田の戦い~後篇


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・・・孫堅!まさか!!



程普「殿。まだ試合中でござる。ゲームは慎まれたほうがよいかと。」




孫堅「おお、すまんな。しかしこの時代でワシの姿、そして死に様を見られるとは思わなんだな。」




程普「『真・三國無双6』… それがしはあまり目立たないので興味はないのでござるが。」




孫堅「けどよ。もし三国志の世界でオレ達が死んじまったら、この世界のオレ達はどうなるんだい?」




程普「…我々は戦乱の世の奥底に眠る野球魂をヴァン・ホーエンハイムの錬金術により再構築され、ファニー・ヴァレンタインのD4Cによってこの世界に連れて来られたと聞いております… ある意味元々の武将とは別の生き物なので大丈夫なのではないでしょうか。」




孫堅「ふーん。よく分からんけど『ご都合主義』ってやつだな。じゃあ大統領があっちに行くときに一緒に行けばあっちの世界に帰ることも出来るのかな。」




程普「はい。おそらくは… しかし殿、戦乱の世に帰りたいのですか?」




孫堅「あっちはあっちの孫堅が頑張ってるんだろう?報われないらしいけどな。オレは野球がしたいからこっちの世界でかまわんよ。戦は三國無双で十分だ。」




程普「それを聞いて安心しました。さ、無双などやっておりますと黄蓋が騒ぎ出してしまいます。アイシングが済んだなら早々にベンチへ。」





孫堅「おう、わかった。」


















・・・何?何なの?これ?なんかダークなにおいを感じるよ!



あ、この話は別に伏線とか回収とかあまり考えていません。単なるネタです。

三国志ネタを放り込むために史実の世界とのつながりはあったほうがいいけど、あんまり制約があると矛盾だらけになってしまうので、ホーさんと大統領にご協力いただいてあいまいにつながっていることになっています。



・・・D4Cって時間を越えたパラレルってアリなんだっけ?



…そこはホラ、きっとパラレル先でタイムスリップ能力を持ったスタンド使いにあったとか、ホーさんが真理の扉を自由に活用できるようになったとか、なんでもアリですよ。だって『ご都合主義』ですからw



・・・じゃあ、別に仕組んだ誰かを倒す戦いになる、とかではないんだね。



そんな複雑な話を構成する能力は作者にはありません。ただただ三国志の武将たちに野球をさせたいだけなんです。



・・・とりあえず孫堅が死ぬかどうかは史実云々でなくて『都合』次第ってことか。 ってか試合は!?それこそまだ途中だし…

















2013年7月2日、後に『松田の戦い』として知られるこの試合は、4-0で広島が勝利しました。それではヒーローインタビューです。






孫堅「ちょちょっ!!だから眩しーて! まぁ今日はアレだ。みんなに勝たせてもらった、ってことだな。オレも調子が上がらぬ中、先制タイムリーのがんけいこうや2点目のこうらい、程普のダメ押しも大きかった。オレの後を抑えたちゅうでんやぼんえいしんの好プレーにも助けられた。オレの我儘聞いて投げさせてくれたノムケンにも感謝している。」



・・・がんけいこう=丸佳浩、こうらい=廣瀬、ちゅうでん=中田廉、ぼんえいしん=梵英心、ノムケン=ノムケンでいいかなww



孫堅「内容は劉備のほうが良かった。アイツ、良くなってきてるよ。ただ連敗中なのもあってか、チームがバラバラだった。そこにも助けられたよ。」




曹操「さすが孫堅。分かっておる。」




孫堅「なんつーかな、アレだ。オレ達は曹操を追いかけるがもはや差は2位のオレ達でさえ14ゲーム。オレ達だけの力じゃ追いつけねぇ。だから劉備!関羽!張飛!もっと頑張れ!!」



・・・ヒロインなのに相手にエールを送るとかw



孫堅「戦乱の世じゃあ平穏無事な暮らしを願うが、ここはそうじゃねぇ!白熱した戦いがあってこそ、勝ち抜いたときの民と喜びを分かち合えるってもんじゃねぇのか!そういう意味ではここへ来てオレは良かったと思ってるぜ。」



インタビュアー「あの…孫堅さん。何の話を…」



孫堅「オレ達は勝つ!この松田の民を、歓喜の絶頂へ導いてやるぜ!!!」












曹操「見事なヒロインだったな。どうだ?劉備よ。」




劉備「見事でござる。私がやりたかったことを孫堅は見事なまでに実践している。それなのに私ときたら自分のピッチングのことばかり…」




関羽「チームが勝ってこその個人の活躍。個人が活躍してこそのチームの勝利。私の野球道にはまだ答えが出ない…」




張飛「馬鹿野郎!そんな女々しくしてても明日も試合があるんだぞ?もうあの監督には任せておけねぇ。大兄貴がこのチームをまとめるんだよ!」




劉備「張飛よ、分かった。まずはスパイス監督と話をしてみよう。いずれにしても上層部も何らかのテコ入れは考えておろう。」




曹操「もうすぐオールスターだ。どうせ最下位チームのお前らはヒマだろう。よく議論し、必要とあれば血の入れ替えを行うのじゃ。余とてこのまま統一を成し遂げてもツマランしな。せいぜい楽しませてくれ。」





10連敗となった阪神タイガース。球団ワースト連敗記録まであと…2

posted on 5.30.2015

【第32話】松田の戦い~中篇


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2013年7月2日、松田の戦いは1-0の投手戦が続きます。

両投手走者は出すものの、要所で三振を奪い得点を許しません。







劉備「私が抑えれば…私が抑えなければ…





曹操「ホレ。あれだけの援護率を誇った劉備なのに周りがちっとも見えておらん。あれでは打てないチームメイトが余計に気を遣ってしまうわ。」



一方孫堅はストレート中心なのはいつも通りですが今日は球が荒れています。

その分長打は浴びていませんが、明らかに苦しそうです。







孫堅「ふう、何とかここまで来たな。こりゃ今日は完投はムリだわ。ちゅうでん、肩作っとけよ!お前は出足鈍いんだから。」




中田廉「了解!ブルペンで2本くらい打たれてから行きますわ、殿。」





張飛「チッ。その軽い雰囲気、コッチが作らにゃならんのにな。」



6回表、孫堅、先頭のその張飛を四球で歩かせます。






そして代打です!監督勝負に出ます!







関羽「無死1塁。ランナーは張飛。この後は今日はヒットを打っている鳥谷さん、大和… ここですべきことは…」




曹操「硬い!硬すぎるぞ、関羽。集中力を考えるほうに使いすぎだ!シンプルに、来た球を捉えることだけを考えろ!今の孫堅の球ならば…」






あっと!関羽、初球に手を出した!!







6-4-3のダブルプレー!!

一瞬でチャンスが消えました!




曹操「何故初球のスライダーに手を出す?今の孫堅のストレートならば持って行けたはずだ。さては考えた挙句、まとまらぬうちに打席に入ったな?」





孫堅「ふぅ~。助かったぜ。今日のオレはツいてるなぁ~。」






試合は6回表を終わって1-0、広島リードです。






劉備はここまで広島打線を3安打に抑えています。が、初回の1点が重くのしかかっています。




曹操「緩急がうまく使えておる。割合は少ないが、シュートが効果的だな。アレのおかげで緩い球への踏み込みが遅れている。ただ、劉備も球数以上に精神的にヘバッてきたな。」





韓当、打った~!高めに浮いた甘い球、レフト線を破るツーベース!


丸倒れて一死3塁、今度は4番の廣瀬!




前進守備の張飛を襲い、打球はレフトへ!

広島、待望の追加点です!!






その後もピンチは続き、二死1・3塁でバッターは程普。






打った!セカンドを…

越えていく!!打球は右中間へ!

3塁ランナーに続いて1塁ランナーも一気にホームイン!

4-0となりました!






孫堅「よしっ!せっかくみんなが点を取ってくれたんだ。もうひと踏ん張りすっか!」




程普「殿…もうお疲れでしょうに。しかしそのお心意気が皆を奮い立たせるのです。」




曹操「孫堅…これほどの男とは…現時点での劉備との将としての器の差がまじまじと出た結果よな。」





7回表、続投の孫堅、一死2・3塁のピンチを背負うも代えません。いや、代わりません。




孫堅「次の回、オレからの打順だろ?どうせ代打だし、この状況でリリーフに渡すのも悪ぃから、オレが投げるってノムケンに言っときなよ。負けが付いたらオレでいいからさ。」



孫堅、魂の102球目!





狩野をショートゴロ!

孫堅文台、7回を投げ切り見事役目を全うしました!!!






このジェット風船は7回の攻撃のためのものではありません。孫堅文台への敬意と労いのジェット風船です!!



・・・ねぇ、孫堅死なないよね。なんかこのまま死んじゃうくらいカッコいいよ(涙)

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